またまた映画シリーズです。
あなたは映画監督です。
付き合っている二人が、プロポーズするシーンを考えてください。
典型的なのは、何かの記念日に高級レストランに行ったとき、そっと指輪を差し出してプロポーズする。ですよね?
でも、これって、元々は好きになったら、それはずっと好きであり、何かどうしても合わないことがない限り結婚まで考えているという前提があるからですよね?
そういう期待であり、幻想です。
そして、実際の結婚は確かにそんな感じで進行しますが、それはやはり、付き合う前から結婚のことを男性が意識しているからであり、そういう前提だから成り立つ話です。
極端な例を出すと、クラブで知り合ったその日にそのままホテルに行って、セックスした後に、「ねぇ、付き合ってよ」と女性から言われた男性がOKを出して、その後、プロポーズするかということです。
その場合、何をきっかけにプロポーズする気になったのでしょうか?
映画監督として、それをどう表現しますか?
よくあるのは、つきあっているわけではなく、口げんかばかりしている二人が何かの困難を乗り越えたことをきっかけにキスしてスキスキするとかですよね。
これは、まさにれんモスGのパターンです。
れんモスGから、れんモスWに行くのはもっともドラマチックな展開なので、映画とかではよく使われます。
一方、一目見たときから好きでしたというようなれんモスS的な関係はたいてい上手くいっていませんよね。映画的に。
さて、ここからは男性心理に注目して考えてみます。
ストーリーが大事だと言いましたが、ストーリーは男女それぞれの中で進行しています。
男性の中でも、
生涯の伴侶との出会い編
すれ違いながらも互いに理解していく編
満を持してのプロポーズ編
といった形で、心の中でストーリーが進行しているわけです。
で、いよいよ前半最高潮に盛り上がるプロポーズ編はやっぱりいろいろ考えるわけです。
プロポーズが少し伸びているパターンがあると思いますが、たとえば、1年間付き合ってからプロポーズとかです。でも、それって、プロポーズを撮れる良いシーンがなかったからというのが本当の理由なんですよね。
プロポーズをするという大まかなプロットはできているんだけど、それに見合ったタイミングや場所が見つかっていないだけです。
ということはですね。最初から結婚する気もなかったモブキャラに対してプロポーズなんてストーリーは用意されていないのですよ。
よほど大きなイベントが発生しない限りです。
つまり、
思いかけずこいつと一緒になりたいと感じるようになった事件編
です。
何となく付き合って、なんとなく時間が経っているカップルだと、最初に結婚しようと男が思っていなかった場合、もう何も起こらないんですよね。
あとは、女性がこれだけ付き合ったんだから、結婚してよねと迫った事件が起こって、かつ、相手がモテない男性でそれが上手くいった場合だけです。
でも、それって、映画に出来ますか?そんなシーン撮りたいですか?観たいですか?
って、ことです。