何度か話に出ている多人数を相手にドカンドカンと笑いをとれるタイプについての話です。
この手の人は全体最適に細心の注意を払っています。
話に乗れずに腐っている人がいると、悪貨は良貨を駆逐するので、いじるのか、立て直すのか、放置するのかを決めないといけないためです。
そして、そういう人も話に乗れるように理解しやすい話から入って、誰もが笑える単純な笑い話や自虐ネタを入れ込んでいき、場が暖まってきて、みんなの価値観の歩調が合ってきたら、特定の人を強めにいじって、笑いを取っていきます。
聞いた話や、自分の過去の体験談を話すのも良いのですが、即時的かつ、その場にしかない笑いが最も効果的なので、その場にいる人のその場での出来事をいじれるのが一番大きな笑いを作れるからです。
そういう人が場の中にいると、あの人はみんなを笑わせて、リーダーシップがあって、素敵な人だと思うかもしれませんが、結婚するとなると、注意が必要です。
10人、20人あるいはそれ以上の人をある特定の価値観に誘い込むということは、まずは自分自身がその価値観に絶対的な自信がないと無理ですよね?
それ違うんじゃないと突っ込まれてあたふたしているようでは、場は作れないからです。
つまり、ものすごくものすごく自分の価値観へのこだわりが強いんですよ。
そうじゃないと、複数人を確実に笑かすなんて事は出来ないわけです。
芸人が俺らは素人とは違うともう凄い自信を持っているのはその自分の価値観への誘導方法に自信を持っているからです。
さて、そうすると、そういう人と結婚するということは、相手は自分の価値観にものすごくこだわるということです。普段は、全体を盛り上げるために一人一人に気を遣って、優しい態度を取ったりしていますが、それは自分の価値観をできるだけスムーズに運行させるために交通整理しているだけで、要するに合わない人は近づくなという誘導をかけているはずです。ところが、家庭内では逃げ場所がありません。
すると、全面的に従うか、闘うかという選択になるわけです。
闘ってもこっちが全面的に勝つということはありえないので、その落としどころでの争いは避けられません。
なので、毎日、笑いに包まれて楽しい家庭が作れるとかはゆめゆめ思わないことです。
じゃあ、全面的に従ったら良いのかというと、私は彼に何をあげるのでしょうか?
ルックスだけのトロフィーワイフであったとしても、それは加齢とともになくなります。
結局、彼の押しつけがましい価値観を撥ねのけて、自分の価値観を押しつけるだけの力が必要なのですよ。