30歳くらいの人が不妊症で手術を受けて、妊娠したという話を聞いたのでちょっとレビューしておきます。
やった手術は卵管鏡下卵管形成術と思われます。
ここのクリニックは親切心というか、けんかにならないようにこのページは書いていませんが、要するに
結婚前にほかの男とやりまくって、クラミジアを移されるもほったらかしにしていたので卵管が詰まってしまっていたというわけです。
クラミジアは男女ともにほとんど症状がなく、あっても、感染後1週間以上経って、なんかおしっこ変だなとか、おりものの調子悪いなという程度であり、そのうち、落ち着くので放置されるわけです。
クラミジア感染者と性交渉を行うと、50%以上の確率で感染する(男性に比べ女性の方が感染率は高い)とあるので、2回すれば期待値100%ですよね。
20代前半では性交経験のある女性の5~10人に1人は感染しているということは、逆に言うと、ヤリチン君ほど持っているということです。
女性の80%に症状がありませんが、感染すると、それを除外するために白血球やマクロファージといった免疫細胞が集まり、菌を殺すわけですが、同時にその周辺の組織も破壊してしまいます。ビルに立てこもった犯人を戦車の砲撃で殺すようなイメージです。
すると、同じように壊れまいと必要以上に修復して、ドアがほとんどない頑丈なビルが立て直されます。ドアがほとんどないので、排卵で卵子が来ても通れなくて、精子と出会って着床できなくなるというわけです。
それを内視鏡カメラでむりやり穴をあけていくのが最初に挙げた治療法です。
怖いのは、それをやったとしても、妊娠率が50%ということです。
病院としてはそこの数字は盛りたいわけです。それでも、50%の数字しか出せないわけです。
最後に軽くおさらいしておくと、
数が一番多くて交通事故並みに若い女性が死ぬ確率があるのがヒトパピローマウイルス(HPV)
次に多いのが今回の不妊症になるクラミジア感染
一生、薬を飲み続けないといけないのがエイズになるHIV
20年から30年で肝がんになるのがHCV, HBV
激痛の治療を受けないといけないのが、尖圭コンジローマ(運が良ければ自然軽快することもある)
一生治らず、体調が落ちると激痛のびらんが口や鼻、もしくは陰部にできるのがヘルペス
割と悪化してから見つかる事が多く、最近増えているのが梅毒
他にもありますが、主だったところはこの辺です。
命にかかわる病気もあるわけで、将来の伴侶を守るという意味では、セックスできる状態の時からすでにその必要性と覚悟が要り、逆に言うと、怖くて知らない人や、性体験の多い人とはセックスなんてできないはずなんですよね。