BDNFという記憶に関係する遺伝子があります。日本語にすると、脳由来神経栄養因子という蛋白質です。そのアミノ酸配列の中に機能に強く関係する変異があります。
日本人の場合、40%位の人が、アミノ酸がバリンのGG型で、16%位の人がメチオニンのAA型であることがわかっています。残りが片方ずつあるAG型です。
人種による差はそれなりにありますが、人種の性質を現すほどの差とはあまり感じさせない変異ではあります。
さて、学術的に有名な仕事としては、バリン型の方が神経細胞の樹状突起の伸張が優れていて、エピソード記憶力が高いというものです。もう一つは記憶力が高いがゆえに嫌な出来事も覚えているためか、バリン型の方がうつ病になりやすく、メチオニン型の方がうつにならずにストレスに対して抗うつ的になることが知られています。
先日、ライブでみんなも叱られたりして、嫌なことを経験して、鬱憤がたまっていたり、社会に対して不満があったりするでしょ?それをこの場で発散しようというMCがあったのですが、それは思い通りにいかない、自分がしたいように出来ない事に対する不満ということです。
これには二つの成分があって、そもそも思い通りにいくように努力をしてきたのかという成分と、思い通りにいかせる状況は整っているが、自身がそうしなかったのかの成分に分かれるわけです。
自身がそうしないのは、それが嫌なことであると忌避しているからです。
ほとんどの場合、それがルールだからとか、周りの人もしているからとかの理由ですが、実際はルールというより、周りの人もそうしているからの方が圧倒的に多いでしょう。
しかも、ルールを破った結果、どうなるかを体験したことがない人の方がほとんどなわけです。
周りがこうしているから自分もこうするが一番多いのが日本人であり、それゆえに治安も良くて、街も清潔ではあるわけですが、その分、自殺率が高いのも特徴です。
自分を殺し、周りに合わせていることで不満がたまり、鬱憤がたまり、最終的に自殺するくらいのうつ病になりえるのが、バリン型。
自分を殺し、周りに合わせていても、嫌なこともすぐに忘れやすいので、同じ間違いを犯すことも多いけど、深いダメージにならずにマイペースに生きているのがメチオニン型とも言えます。
メチオニン型の人はまぁ、どんな生き方をしても、それが心のダメージになることはないわけです。
一方、バリン型の人は、周りに合わせない、自分がこうだと思ったら、それを確かめに行ったり(周りの人が待っているから自分も待つのでなく、本当に待つような状況なのか確認しに行くといったことです)、自分を貫く習慣やマインドセットを持つことです。その結果は、いろいろでしょう。
でも、思ったよりなんともなかったということの方がほとんどのはずです。
今自分なら、マスクをしないというのが一番よく出会うシチュエーションです。
その他だと、2列で並びましょうに1列で並んでいるときに一番先頭の人の横に並ぶとかです。
また、間違ったところに並んでいる人がいたら、教えてあげるとかもそうでしょうか。
ライブやコンサートだと、ほとんどの人は同じように手を振っている地蔵状態ですが、そこで跳んだり跳ねたり自由に乗るのもありでしょう。
周りと同じようにしなくても、大丈夫なんだというエピソード記憶を増やしていくことです。