好きになってしまったみたいで、(恋愛テンプレ脳的に)付き合ってしまいたい衝動に襲われます。という相談は定期的に受けるわけですが、以前書いたことをもう少し別の角度で分析してみましょう。
恋愛感情が何で出来ているかというと、2大要素は期待と不安です。
私たちは両想いになるんじゃないのかという期待と、やっぱりダメなんじゃないのかという不安です。
で、期待の方が少し上回っているのが、恋の状態です。
これは吊り橋効果ではありませんが、死ぬかもしれない、でも、大丈夫という気持ちの方が大きいときにも似たようなドキドキ感を得られますよね。
逆に、これは死ぬ、助かる道はほとんどないという状況だとむしろ冷静に状況を判断していてかつ死ぬ覚悟を決めていてドキドキどころではないでしょう。
違いは上手くいきそうという見通しの高さであり、その見通しが正しいかどうかは別です。
普通にやれば上手くいく、でも、失敗する可能性も少し残っているといった状態ですね。
付き合って、セックスまでしてしまうと、ドキドキ感がなくなるのは、付き合ってセックスしてしまう期待がすでに叶ってしまっていて、それに関して失敗がないからです。
逆にDVが成り立ってしまうのは、殴られるような関係なら、切ってしまえば良いのに過去の優しく接してくれたころに戻ってくれるかもという期待があるからです。
やり捨てされた後とか、されそうなときも同様な心理状態でしょう。
話を元に戻しますが、ダメかもしれないという不安があるので、最初のいっそのこと付き合いたいという衝動につながってしまうわけです。ダメならダメではっきりさせたいというわけです。でも、付き合った後に極上の、付き合う前以上の体験が待っているかというとそうではないことは過去のいろんな人や身の回りの人を見ていればわかります。
確かに付き合い始めた頃は楽しいでしょう。なぜなら、この関係が上手くいかなくなってしまうかもという不安が残っているのと、セックスに対する期待と不安が残っているからです。でも、それが済んでしまうと、もうそれ以上の期待も、不安もなくなるわけです。
そして、逆説的ですが、結婚した後に感じる安心感は、恋の時に感じていた不安がないということなんですよね。彼が私のことを裏切ることはないという安心感なわけです。
だから、彼が浮気をしたりしたら、その安心感が脅かされるので、相手を責めるわけです。
恋愛モンスターはその安心感を、付き合うことも、セックスすることも、結婚することもなく得ようというのが目的になります。