ここの読者のメインは20代前半と後半の女性に二つの山があるのですが、前半の場合、ちょうど仕事に就こうとしている時期でもあるんですね。
証券会社や銀行には一般職と総合職があって、一般職はその地方で雇われて他に移動はないのですが、総合職は全国どこに行くかはわからず、銀行とかだと内示があって10日以内に他県に引っ越しを終わらせていないといけないことがほとんどです。
移動はだいたい3年に一回なので、家族も大変です。これは社員の成長のためというのもあるし、一カ所にいると不正に手を染めるかもしれないので、ちょうど土地に地盤ができてきつつある3年間で移動という人間生活的には結構つらい人生となります。
銀行は決められた仕事をこつこつすることが多いので、そこまですぐに辞めたりはしませんが、証券会社の場合、3年目までに辞める人がほとんどかもというくらい会ったことがある人はたいてい辞めています。
証券会社の新規契約の半分は新人が取ってくるようなものらしく、何も知らない新人が営業対象者リストを渡されて、新規契約、追加契約をお願いして回るわけですが、営業を仕掛ける話はたいてい客が損をする可能性があるが、営業をかける方は儲けは少ないが確実に儲けが出る話であるため、電話ならガチャ切りなどメンタルにかなり来る仕事なわけです。
そんな中、ノルマとか、営業成績を求められてハッパをかけられるわけです。
専門的な知識がまだそんなにない時期から、短い研修を経て現場に放り出されるわけです。
それでもたまに新規のお客さんを取れたりするわけです。
成功体験は、次へのモチベーションと、次のための自分のやり方カードとして取り込まれます。
そうやって、専門知識なしでの営業スキルをどんどん身につけていくわけです。
実際、契約を勝ち取っても、商品説明を詳しくするのは上司だったりするから尚更です。
ときには、それほど客にうまみのない商品を売らないといけないときもあります。そういうときは逆にそういったスキルの方が売りやすい場合もあるでしょう。
基本的に売り買いにおける少ない仲介料、手数料が収入源なので、とにかく売り買いして貰わないと儲からないわけです。
あなたがこれだけ儲かったら、10%貰いますよといった世界じゃなく、なんでもいいので、取引して貰ったら1%貰いますといった世界だからです。
そのため、客が儲からないとこっちも儲からないわけではなくて、客が取引さえしてくれれば良いということで客とこちらで損得勘定の基準が解離することになり、それが最終的に罪悪感で自分を苦しめることになります。
ただ給与が良くて、営業成績によってボーナスもどんどん上がるからと、この手の金融系営業職につこうとする人が今後も出てくるでしょう。
そういう人が疲弊しないために最初に心がけておかないといけないことを書いておきます。
客が知りたいのは、この商品が安全か、儲かるのか、他の会社と比べたらどうなのか、他にもっといいのがあるのか、ないのかなわけです。
であるならば、日本国中の営業マンの中で自分が一番詳しいというくらいの目標をもって、商品について勉強するべきなんですよね。
それは営業時間を削ってでも構いません。
さらにそのときだけでなく、今後も類似商品がでるものに関しては特に詳しく調べて、独自の調査結果としてまとめて、さらにブラッシュアップしていきます。
今度新しい商品がでるみたいだけど、あいつの分析を聞いてみたいと思わせるくらい勉強して、それで勝負をかけるように心がけることです。
そうすれば、結果はあとからついてくるし、独立したとしても、辞めたとしても、あとからそれをベースに新しいビジネスも立てやすくなります。
その分析力を買われて別の業種にスカウトされるかもしれません。