恋愛モンスター

恋の因数分解・裏LOVE TYPE 16 〜 男性心理と神経科学を統合し、超覚醒状態で異性と向き合い、仲間と語れる場 〜

レスになる神経メカニズム

若いカップルでも、元カレ元カノがそこそこいるカップルだとレスになりやすかったり、熟年夫婦でも、もう女として見られないとかで、夫が相手をしないことがあります。

 

要は男性側が原因のレスがあるわけです。自家発電はできるし、やってるし、何なら浮気もしてるけど、パートナーとはやれないというパターンです。

 

下記に専門的な今わかっている機構をまとめています。

 

ポイントは、オスの性行動は前半をエストロゲン受容体を発現しているVMHの細胞が担当し、そのあとの行動はプロゲステロン受容体を発現している細胞が担当していることです。

 

さらに最初のエストロゲン受容体を発現している細胞は、より強い刺激で攻撃行動を誘発し、弱い刺激で性関連行動を誘発します。

 

これはメスの抵抗があるので、ある程度の攻撃性を伴わないとそもそも交尾が成立しないからかもしれません。

 

逆に言うと、攻撃性の要素がないと性的アプローチも起動しない可能性があります。

結婚しない女性は、他人の妻になるメスなので、その文脈の意味で未来の夫に対する攻撃性が成り立ちます。浮気が出来るのも、刺激的なのもそれが理由の一つでしょう。

 

一方、パートナーになった相手には、それがそもそも成り立ちません。

そして、2000個しかない細胞ですから、加齢とともにどんどん減少していきます。

年を取って、EDになるのもそれが理由と言えます。

 

VMH(視床下部腹内側核)における攻撃性と性行動の神経機構

1. VMHvlの性的二型性神経集団

VMHvlのPR+(プロゲステロン受容体陽性)ニューロンの除去は、メスでは性的受容性を大幅に減少させ、オスでは交尾行動と攻撃性の両方を減少させます CDCPubMed Central。この約2,000個の神経細胞は、92%以上がERα(エストロゲン受容体α)と共発現しています PubMed Central

重要な点として、この神経集団は両性に存在しますが、その数と投射パターンに顕著な性差があります。VMHvlにおけるEsr1発現はオスよりもメスで高く PubMed Central、この量的な差異が行動の性差を生み出す基盤となっています。

2. オスにおける攻撃性制御の分子メカニズム

ERα+ニューロンの役割

VMHvlのEsr1+ニューロンの光遺伝学的刺激は、去勢されたオスと未去勢メス侵入者の両方に対して、87%以上の動物で時間ロックされた激しい攻撃を誘発しました PubMed Central。これらのニューロンは攻撃行動の開始と維持の両方に継続的に必要とされます。

攻撃中に活性化される細胞の80%以上がEsr1陽性であり PubMed Central、この神経集団が攻撃行動の中核を担うことが示されています。

nNOS+サブポピュレーション

最近の研究では、VMHvl-nNOS(一酸化窒素合成酵素)ニューロンがERα+集団内の小さなクラスターを構成し、性特異的に社会行動を制御することが明らかになりました。オスではこれらのニューロンが攻撃性に必須であるのに対し、メスでは性行動と社会的動機づけに関与しています PubMed CentralNature

3. 攻撃性と性行動の刺激強度依存的切り替え

VMHvlニューロンの最も興味深い特性の一つは、活性化の程度によって異なる行動を誘導することです。

オスマウスのERα VMHvlニューロンの光遺伝学的刺激は、低強度刺激では社会性行動とマウンティング行動を増加させますが、高強度刺激では攻撃行動が増加します PubMed Central

PRCre オスに低用量のCNO(化学遺伝学的活性化剤)を投与すると、メスと交尾するか、交尾と攻撃の両方を示しましたが、高用量では専ら攻撃行動を示しました Stanford

この現象は、光刺激強度の増加が活性化されるニューロンの数と個々のニューロンの平均活動レベルの両方を増加させることで PubMed Central、行動のエスカレーションをスケーラブルに制御していることを示唆しています。

4. 発達期のホルモンによる神経回路の性分化

テストステロン/エストロゲンの組織化作用

発達期(生後1-15日)のエストロゲン曝露は、オスの攻撃性を規定する神経回路の形成に決定的な役割を果たします ScienceDirect。オスのVMHvl領域におけるアロマターゼの発現は、エストロゲンを介した雄性脳の初期男性化に不可欠であり、アロマターゼの欠損はオスの攻撃性を損ないます PubMed Central

オスは出生後から離乳までの間にEsr1、Rprm、Pdynの発現がダウンレギュレーションされる一方、メスではこの変化が起こりません。新生児メスへのテストステロン投与は、総Esr1細胞数と2つのERαサブポピュレーション(Tac1/Esr1; Rprm/Esr1)においてオスで起こる発達変化を模倣しました ScienceDirect

シナプス入力の性特異的配線

発達期のEsr1ノックアウトは、攻撃性制御領域からVMHvlニューロンへのシナプス入力を選択的に変化させ、オスでより強い影響が観察され、後部層間視床核(PIL)が男性攻撃に関与する重要な上流領域として明らかになりました ScienceDirect

5. 神経回路ネットワーク

VMHvlは複雑な神経ネットワークの一部として機能しています:

上流入力

BNST(分界条床核)のEsr1+ニューロンがVMHvlに投射し、オスマウスの交尾と攻撃をゲートし、メスマウスの母性行動を調節します。BNSTprの雄選好ニューロンが雄の性的手がかりをVMHvlに伝達し、嗅ぎから攻撃への行動転換を実現します eNeuro

その他の重要な入力源として、内側扁桃体(MeA)、内側視索前野(MPOA)、外側中隔腹側部(LSv)、後扁桃体(PA)、乳頭体前核腹側部(PMv)などがあります。

下流投射

光遺伝学的刺激および逆行性標識により、ERα VMHvlおよびPR VMHvlニューロンが前視索前核(AVPV)への密な投射を示すことが明らかになりました PubMed Central。これらの投射も性差を示します。

6. 経験依存的可塑性とテストステロンの役割

シナプス可塑性

5日間の攻撃訓練後、75%のオスマウスが訓練開始から90日後まで攻撃傾向を維持し、攻撃的マウス(AGG)のVMHvl Esr1ニューロンは、非攻撃的マウス(NON)と比較してより高いカルシウム活性と自発的EPSCの頻度・振幅を示しました Luo Lab

扁桃体海馬領域(AHiPM)からVMHvl Esr1ニューロンへの興奮性入力投射において、AGGマウスのVMHvl Esr1ニューロンは攻撃訓練を通じて長期増強(LTP)を受けた証拠を示し、光遺伝学的LTP誘導は攻撃学習を促進する一方、長期抑圧(LTD)は攻撃学習を消失させました Luo Lab

テストステロンの調節作用

AGGマウスは訓練コース全体を通じて血清テストステロン(T)レベルが高いことが判明しました Luo Lab。興味深いことに、VMHvlのPR+ニューロンにhM3DGqを発現させた成体オスを去勢またはシャム手術後に評価した結果、これらのニューロンの化学遺伝学的活性化は性腺ホルモンとは独立して攻撃行動を誘発しました Stanford

7. 社会的文脈の重要性

実験的なVMHvlニューロンの活性化は確実にオスの攻撃を引き起こしますが、これは単独飼育された居住オスでの観察です。これらのニューロンの活性化は絶対的なものではなく Stanford、社会的手がかりや経験によって調節されます。

フェロモン感知が損なわれたオス(VNOまたはMOEの機能欠損)でも、VMHvlのhM3DGq発現下でCNO投与により攻撃行動が誘発されることから、VMHvlニューロンの活性化は感覚入力の下流で作用することが示されています。

8. 性行動との関係

オスにおける性行動

オスのPR+ VMHvlニューロンの除去は、交尾の消費的要素に特異的な欠陥をもたらします。マウントあたりの挿入回数が減少しましたが、嗅ぎ、性別識別、縄張りマーキングなどの食欲的行動には欠陥が伴いませんでした PubMed Central

メスにおける性行動

メスのPR+ VMHvlニューロンの除去は性的受容性を大幅に減少させ、PRCreメスはオスの交尾試みを拒否する時間が長く、ロードシス反応の回数と持続時間が減少しました PubMed Central

9. VMHvlのサブ区分

最近の研究により、メスのVMHvlには解剖学的・分子的に区別可能な2つのサブディビジョンが存在し、交尾と攻撃後に異なる遺伝子発現、投射パターン、活性化パターンを示すことが明らかになりました PubMed CentralPubMed。これらのサブ領域は異なる社会行動に関与しています。


まとめ

VMHvl、特にERα+/PR+ニューロンは、オスの攻撃性と性行動の両方を制御する重要な神経基盤です。これらの行動は同一の神経集団によって制御されていますが、活性化の程度(ニューロン数と発火頻度)によって行動が段階的に切り替わるスケーラブルな制御機構を持っています。

発達期のテストステロン/エストロゲンがこの神経回路の性分化を決定し、成体期には社会的経験とテストステロンレベルがシナプス可塑性を通じて攻撃性の閾値を調節します。この神経回路は、上流のフェロモン処理系(VNO-AOB-MeA-BNST)からの入力を統合し、下流の運動出力領域へ投射することで、状況に応じた適切な社会行動の選択を実現しています。