彼氏や彼女の彼は彼方の彼です。彼方の意味を辞書で調べると、
1 話し手・聞き手の双方から離れた場所・方向をさす。また、現在から遠く離れた過去・未来を示す。あちら。あっち。「―の山」「忘却の―」
2 ある物に隔てられて見えない場所・側などをさす。向こうがわ。「山の―」「海の―の国」
となっています。わかりやすくいうと、自分の家を含む自分の村の属性とは違う人という意味です。仲間のいる領域にはもともといなかった人ということです。
村の外にいる氏であり、女ということです。
自分の生涯の利害関係のある人間関係、コミュニティーに認められたところに属している人ではないという意味です。
ほとんどの結婚は1年で決まります。というか、結婚自体はほぼ半年くらいで決まっています。というのも、結婚のほとんどは男が結婚できるステータスになってから結婚相手を探すからです。見つけたら早晩、結婚を打ち出してきます。
結婚したいねじゃなくて、結婚しようと言ってきます。
そして、結婚が決まった時、その相手を結婚する人と表現して紹介するはずです。
便宜上、彼氏とか彼女と表現される時もありますが、違う表現を使える時は名前だったり、婚約者と呼んだりするはずです。そこには彼氏や彼女ではないという意味合いも込められているからです。
なので、私の彼氏が~とか、俺の彼女が~と言った表現を聞いたら、自分の結婚できない相手が~と変換して聞くとなかなかシュールな状況であるのがわかるはずです。
もし、相手の不満を言っているなら、まぁ、そりゃそうだよね、うん。となるし、自慢めいたことを言ってきたら、きっつー、大丈夫かいな、この2人と感じるはずです。
昭和の時代は結婚することが一人前でしたから、結婚相手予備軍として彼女彼氏を作ることで同性のマウントを取るために彼氏彼女を作るのですが、早めに作れば作るほど、男は結婚できるステータスではないので、マウントを取っているつもりが、むしろ、より痛い存在になっているだけとなっているわけです。