Passcodeの福岡、熊本公演が2日続いてあったのですが、福岡は2年ぶりくらいに好きなバンドを見られる感動で泣けて、2日目はメンバーを支えようというみんなの気持ちに泣ける良いライブでした。
(サマソニに4年連続で出ているのはPasscodeとFear and loathing in LAS VEGASだけのはずです、次にRiRiかな)
どちらもやたらとMCが長かったのですが、デスボイスを担当しているちゆなの調子が悪そうだったので、その体調を案じてのことかと思っていたら、どうも換気のためみたいでした。MCの間はドアを開けて空調全力で換気していましたから。
2日目は開演がかなり押したあとに4人のうち、3人しか出てこないスタート。そして、前日以上に鬼気迫る気合の入ったダンスを3人が披露していて、ちゆなが出られなくなったんだなと思っていたら、4曲目くらいから登場し、とはいえ、パフォーマンスはぼろぼろなわけです。
で、つなぎのMCの中で、メインMCのやちいがパフォーマンスが悪いことに対して、プロ意識が足りないとか批判してくる人もいるけれど、私たちはこの4人でやると決めたときから何があってもそれを守るつもりでやっていくと。今日は本当にごめんなさい。でも、将来、また、ちゃんとしたパフォーマンスを出せるようになったときにあんなこともあったよねと笑いあえるように頑張っていくので、それまで支えてくださいみたいなことをいうわけです。
見ているこちらは、ダメなパフォーマンスだとかは思ってないわけです。ちゆなのことが心配で仕方ないという目線で見ているわけです。
つまり、客がパフォーマーに対して、ライブを楽しんでほしい、元気になってほしいと願いなら観るという不思議な状態になっているわけです。
ある意味、それがコンテンツになっているわけです。
昔、BLUE ENCOUNTが過去の苦労話で客を泣かせるライブとして話題になった時期があるのですが、ある時から、結構成功したバンドだよねという状況になって、その手法が通じなくなり、UVER worldの真似っこしたりで迷走していた時期もあるのですが、客に感情移入させるという意味では、Passcodeも結果的に全く新しいエンタメになっているわけです。
で、ちゆながそのMCのときに出てきて、自分も話したいと。
ライブ直前までぼろぼろでやれないという状態だったけど、3人が頑張るという話を聞いて、私もやりたいと、熊本はやりきりたいと言ったら、私たち3人のことを信じてくれと言われましたと。私の今日のパフォーマンスはぼろぼろだけど、私もこの3人を信じているので、今日はこの3人を見てくださいというコメントでその日一番の笑いを取ったりで、結構ぎりぎりの公演だったわけです。
一部口パクもあったのですが、ちゆなが本当に歌わないといけないパートの前には今日一番の拍手をお願いしますとやちいが煽り、それに客が応えていくという最後は本当に感動的な一体感のある公演でした。
(2:09にようやくちゆなのノーマルボイスソロパートがあります)
ちゆなは初期からのメンバーであり、最近はデスボイスの女性ボーカリストもたくさんいるのですが、表現力という意味でもとびぬけた存在であり、替えが効かないわけです。この形でやっていくしかないという状態なのはみんなわかっているんです。だからこそ、ちゆなを支えないといけないという強い思いをメンバーも、事務所も、ファンもみんな持っているわけです。
コンビじゃなくて複数人の女性の友情って、傍から見ていると、こういうどうにも逃げられない窮地の中で出来上がっていくんですよね。同じコミュニティーで、とりあえず、グループをつくっておくというだけではつながりが弱くて、ある種の逆境があるとつながりが強くなるイメージです。それは社会的にマイノリティーであるという状態でもいいわけです。
女性は数人でグループを作ることが多くて、10人近くいると二つや三つに分かれて、そのマネージメントが大変なのですが、3,4人でグループを作らせて、チームで働かせると同時に共有できるメリットや収穫を作ることで飛躍的に効率が良くなりうるわけで、応用範囲はいろいろありそうです。