佐藤健みたさに最後まで一気見しました。
以下、ネタバレありなので、見てない人で見る予定がある人は読まないでください。
最愛と比べると泣けるところはほとんどなかったのは、脚本家、プロデューサー、監督、佐藤健が恋愛テンプレ脳的な恋愛しか知らんのだろうなというのが理由でしょうか。
まぁ、アメリカのNetflix側の要求もあったのかもしれませんが、無駄にキスシーンが多いわけです。
初恋をテーマにするにしても、山田監督なら絶対にこうはしないでしょう。遙かなる山の呼び声とかの見ている方が応援したくなる感じが出せてないわけです。満島ひかりはその意味では良かったのですが、過去設定が美人のスーパーウーマンすぎて、自虐要素が死んでしまっている感じです。
それとプロットとして、無駄なく構築しているのですが、そもそも見た目で好きになって、その恋愛がずっと続くというのは自分達も知っているあり得ない恋愛なんですよね。付き合った最初の元カレ元カノと同じテンションで10年後も好きというのは普通はないし、あったとしてもありし日の幻想はほぼもうありません。
恋愛工学的には、いろんな女とやっているうちにモテ度が下がって、結婚したいと思えるような女に出会えなくなってきて、結局、最初の女が良かったというのは良くあるんですよ。
でも、ほとんどの場合、最初の相手にはもう出会えません。
出会えたとしても、引き合え続けることは普通はないわけです。
それはステージが上がっていったりする中で、価値観もどんどん変わっていくからです。
出会えないというところは北海道の田舎という狭い町のこととしてあり得る設定にしているわけです。
過去と現在のつながりを補うのが、普通なら主人公たちにしか使わない聴覚障害という設定を妹に持ち込んだことです。
あの設定があることで、見ている人に現場感を実感させるのに成功しているし、あれがあったからこそ、佐藤健は妹に尽くした分、初恋を取り戻せたという納得感が持たせられたわけです。あれがなかったら、テンプレの人でも、それはないわと感じたはずです。
さて、実ははつ恋というドラマは12年前にも作られています。
こちらも言語聴覚士という障害者に関わる仕事をしていたりします。
恋愛とは違ったところで泣けるところがあるのですが、やるせなさと初恋という意味では、酸っぱく、決して全てがうまく行くわけではないという意味で忘れられないドラマでした。
恋愛モンスター的な正義があるわけでもないですが、今回の初恋とどっちが記憶に残るかというと、はつ恋の方が残りますね。
あとあのドラマを見て、佐藤健の出ていたるろうに剣心の左之助役に興味を持てたという意味で、初恋同士で繋がっている面もあります。