まずはこの辺から。
で、地蔵ってどんな人ですか?具体的にだと。
地蔵はクラブで女の子をナンパできない男性に使われる言葉です。
まぁ、クラブに来る女子はたいてい処女性が低くて、さらに恋愛テンプレ脳で、かつ、いままでの失敗体験から自己評価も低く、それを補うように派手な格好をしている子が多いわけです。
遊び人の男はナンパからセックスまでの何千という失敗体験と情報の共有によって場数を踏んでいるため、対応力があって、それが自信となって話しかけていくのですが、ここは面白いことに逆の現象が起きるんですね。
つまり、女の子側の方がナンパされ慣れしていて、地蔵の子の方が経験不足なんですよね。ナンパ師は女の子の対応のパターンを知り尽くしているので、こういう反応にはこうという方程式で攻めていけるのですが、逆のパターンも同様で、女の子がナンパに乗るパターンはある程度決まっていて、それに合わない形や展開をみせたら、もう用無しという態度を取るわけです。
そういう正解ルートがわからないから、地蔵化するわけです。
何度も失敗を繰り返さないといけないんだけど、失敗の方が回数が多いので、自分には向かないんじゃないのかとか、他に上手くやっている男がいるのに自分ができていないということは、女性のハンティングという面で自分の方が格が下ということをはっきりと自己認識してしまい、尻込みしてしまうわけです。
それなら、いっそ俺は女には困ってないから、ナンパはしないんだくらいの振りをしていた方が、声をかけては撃沈する格下の男になるよりましだという感覚です。
さらにいうと、ナンパ師はセックスまでのルートを最後までイメージしてアプローチしますが、地蔵くんたちはなりゆきでなんとかなるものと考えているので、どの段階で、外に連れ出すとか、ホテルにするか、自宅にするかといったプランは具体的には用意できていないわけです。
そういうオプションを心の中に持っているにもかかわらず、具体的な策を持たずに話しかけるので、全てにおいて後手後手に回ってしまい空回りします。
で、自分はナンパ師ではないので、女性の信頼を得ることがファーストだと考えて、それはそれで正解なのですが、自分はあなたに対する下心があって話しかけたわけじゃないですよというメンタリティーで話しかけようとするのですが、それでも、場合によってはワンナイトラブもありというオプションを心のどこかに持ってしまっているんですね。なのに、そのオプションの具体策は一つもない。
こういう例はどうでしょうか。
ガンマンでもやくざでもギャングでもいいですが、ナンパは一種の縄張り争いの交渉ごとだとします。
一応、建前上の目的は和解です。8割方和解を目的に話すのですが、場合によっては決裂して銃の撃ち合いになることもあります。しかし、自分の銃には弾が入っていないんですよね。
相手(女性)は撃ち合いになることを覚悟しているとこっち(地蔵)は予想できているのにこっちには弾がないんです。
こんな腰砕け状態では全くちゃんとした交渉はできないでしょう。
これを解決する方法は二つ。
それは、マシンガンとサイレンサー付きの銃を装備して、かつ、そういったものを隠しながら、相手(女性)を油断させるため見せるために弾の入っていない銃を用意しているのがナンパ師です。ありとあらゆる撃ち合いの状況を想定して、ナイフも隠し持っています。トレーニングであらゆる死ぬパターンを経験しているので、ガンガン攻めていけます。
一方、地蔵君は、そういった場数を踏まずに弾なしで交渉に行けといわれているので、怖じ気づいているわけです。
もう一つは、もう銃すら本当に持っていかないというパターンです。
銃を持っていないことは相手に見せてもいいし、見せなくてもいいですが、雰囲気や話の内容で伝わるのがベストです。口だけで信頼を勝ち取ってみせようというわけです。これが恋愛モンスターです。
処女性の低い恋愛テンプレ脳はそういう交渉の場で何度もだまし討ちをくらって撃たれているので、なかなか相手を信用しないわけです。
一方、恋愛モンスターの女子は、こちらも銃は持っていきません。
しかし、撃ち合いになりそうになったら、緊急脱出ボタンをいつでも押せる状態でぎりぎりまで交渉に臨みます。
そんなイメージですね。