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ピコフラクショナルで毛穴が消えるメカニズムと問題点

ピコフラクショナルで毛穴が消えるメカニズムと問題点



皮膚は上から角質層、密な表皮細胞層、粗な真皮層、その下に脂肪層、筋層で構築されています。

脂肪層がプニプニとした丸い2~3mmのグミの集まりであるのに対して、真皮層は比較的細胞が少なく線維が縦横に走っていて圧を面で受ける役割をしています。


若い人の表皮層は台所のデコボコスポンジのように出っ張って真皮層に刺さっており、外からの圧に対して圧が分散するように広がる構造をしているわけです。


さて、光レーザー治療は表皮層よりも下に熱エネルギーを集めて黒い毛根細胞、真皮内のメラニン、もしくは等距離で真皮内を熱破壊しているわけです。今回は最後のパターンの治療で毛穴を目立たなくする効果があるようです。経過をレポートしてくれていた人がいたので、何が起こっているかを考えてみます。


経過はこんな感じです。

1日目 : 軽い火傷のような赤み 点状出血
2日目 : 赤みが増す 肌触りボコボコ
3日目 : ↑がちょっとずつ改善してくる
4日目 : まだらな赤み ちょっと皮剥け
5日目 : 正常な肌に戻りつつある
6日目 : 洗顔する度毛穴がみえなくなる
7日目 : 皮剥けがほぼ終わる
8日目 : 毛穴がほぼみえなくなる
9日目 : ほぼ完成 少し皮剥けが残ってるので完璧なメイクはできない
14日目 : 完成 毛穴レスのつるつる完璧肌が4日くらい続く (短い‥)

でもその後フルメイク → クレンジングを繰り返してると、ちゃんと保湿してても徐々にまた毛穴は目立ってくる
それでもピコフラする度に改善してるかな


治療は等距離で真皮内に小さな火傷を起こし、組織再生刺激からコラーゲン、エラスチンの増生を促し、毛穴を小さくすると美容クリニックのHPには書かれていますが、コラーゲンが増えるだけで毛穴が見えなくなるという意味がよくわかりません。ここでは順を追って、何が起こるかを説明して行きます。


皮膚というのは高層ビルと同じで成長する過程で、コラーゲンで真皮層の鉄骨を形成し、エラスチンで伸び縮み耐性を上げて、脂肪層で大きめの圧を受けて、表皮で圧を分散させています。コラーゲンは効率よく均等に脂肪層に圧を逃がせるように幾何学的に効率の良い並びで立体構築されていますが、加齢とともに徐々に疎になって、老人になると表皮が薄くなるのと合わせて表皮剥離しやすくなります。


そのビルの中を均一に三部屋おきくらいに爆弾攻撃して破壊するのがピコフラクショナルレーザーです。


部屋が破壊されると、それを修復しないといけないので修復資材や人材を送るために血管が拡張します。これは炎症サイトカインや血管造成ホルモンの効果になります。拡張した血管は好中球、マクロファージ、リンパ球、好酸球などを大量に運び込んできます。好中球は感染症対策で、マクロファージは犯人特定と指名手配、およびごみ掃除、リンパ球は犯人逮捕のための警察官、好酸球は相手が寄生虫など細胞よりも大型の敵のときに一度街を破壊尽くして、かゆみを引き起こし人の手の力を呼び出す自衛隊の役割をしています。


クレンジングのし過ぎでもなるのですが、この施術を繰り返しやりすぎるとこの血管拡張が通常道路となって、蜘蛛の巣のような微小血管網のような赤みとして残るリスクがあります。日焼けしたおっさんの赤ら顔も酒による血管拡張も助長して定着していますが、ちょっと頬が赤みがかったおばさんがたまにいるのは日焼けとクレンジングによる小さい炎症の繰り返しのせいになります。


皮が剥けるのは、修復のための成長因子で表皮細胞に増生刺激が加わって、角質層のリニューアルが早めに行われるからです。


さて、毛穴です。毛穴は毛根細胞が深部にあって、新しい表皮細胞の供給源となっています。ズル剥け火傷の時、毛根から点状に表皮が再生されることから表皮細胞の供給源になっているわけです。もう一つ皮脂腺の出口でもあります。汗腺が表皮表面で透明の水を分泌するのに対して、皮脂腺は油分の入った成分を出します。


ポテチなど酸化した油分を含むお菓子を食べていると、そういう油分を好むニキビ菌が増えて化膿したりするわけです。


毛穴の中は、毛穴の中で余分な角質成分、皮脂、毛嚢の常在菌などで埋まっているのですが、化粧で毛穴を防がれたり、菌の増殖などで容積が増えるとそれだけ目立ちやすい毛穴になってきます。


さて、フラクショナルレーザーのようなもので炎症を起こすと下記の写真のようにコラーゲンは増えます。タンパク質レベルで2週間は増えているので、毛穴が見えなくなる時系列と確かに合ってはいますが、2週間よりあとのデータがないので因果関係ははっきっりとはしません。コラーゲンが増えて毛穴が消えるの意味がわかりませんが、レーザーで起こった炎症で細胞成分を中心に真皮内の密度が上がって、その圧迫で毛穴が目立たなくなっていると考えるなら道理は通ります。感染症ではないので、感染対策の細胞群が撤退して、圧が緩み、毛穴がまた目立ってくるわけです。

Journal of the American Academy of Dermatology Volume 64, Issue 1, January 2011, Pages 119-128


しかし、その間、炎症サイトカインで毛穴内の表皮の増殖もおそらく皮脂の分泌も亢進しているはずで、毛穴の中の圧は高まっているといえます。それゆえにすぐに毛穴が目立つのかもしれません。


最後に増えたコラーゲンの影響です。コラーゲンが増えるとシワができにくいという論文が2011年ごろにいくつか出ていました。なぜ、できにくいかというと、真皮が固くなるからでしょう。ケロイドなど線維成分の多い組織はゴムのような固さになるからです。これをいい見方ですると、弾力のある肌になるわけですが、柔らかくない肌という言い方もできます。


これも老化の先取り療法ですが、老人でも効果はあるみたいなので、老化が進むというより、やりすぎると肌質が変わる可能性があることがリスクファクターでしょう。


毛穴は老廃物を溜め込まないように、余計な糖分、油分を取らないようにするのと、ビタミン不足にならないようにアルコールを控えて、化粧は日焼け止め程度、クレンジングはNGで、石鹸で落とすくらいが一番しまって来るはずです。


NG行為が毛穴を広げているイメージを持つようにすれば、実行できるはずです。