ただの同僚や会社の人から飲みに誘われた程度なら、断っておけばいいわけですし、ホテルに誘われても断っておけば良いわけですが、人事権がある上司だと話が変わってきます。
今回のケースは、本人は試用期間で、正社員になれるかどうかの口利きをできる立場の上役からの誘いでした。
10回以上誘われて、家への誘い、一人暮らしの家に行く打診があり、何度かお酒をたくさん飲むように勧められ、最後は愛人にならないかと言われ、軽いボディータッチがあった形です。
これを会社に訴えて、謝罪までは勝ち取ったのですが、診断書を貰って休んでいる間に要求していた上司の異動は叶わず、あげくに休んでいる間にみんなで仕事を手分けしてやっていたんだから感謝しろとまで言われてしまいました。
会社は上場企業の子会社で未上場ですが、全国に支店が数か所あるくらいの会社です。
ケースバイケースですが、セクハラは証拠がないことが多く、裁判になることも珍しい上、なっても敗訴することがほとんどらしいのです。それはひとえに証拠がないからです。
なので、人事権のある上司から個人的に飲みに誘われたら迷わずすべての会話を録音というのがデフォルトとして重要です。
ほとんどの場合、そういう証拠がなくて、さらに訴えても相手はそんなことは一切していないと言い張るでしょう。今回も、ボディータッチは否定していました。愛人要求を認めてくれただけましとも言えます。
ところが、ほとんどの場合、セクトラ上司の方が会社にとっては必要な人材で、こちらは代わりがいくらでもいる女子社員です。なぁなぁでチャラにしようというインセンティブが会社側にあるわけだし、今回もそういう流れがあるわけです。
これが、ワンマン社長の小さい会社だと握りつぶされて終わりですが、そこそこ大きい会社だと体裁上コンプライアンスを守る必要がでてきます。
その場合にどこを狙ったらいいかと考え方やスタンスについて書いていきます。
状況としては、
セクハラ上司の処分は謝罪しただけ、要求していた異動はなし
こちらの損は、セクハラされたうえ、休んでいた間の給与ももらえず、有休も消化されて、ボーナスも減ったという状況です。弁護士への相談料も少し発生しています。
事態を解決するため、会社の上司、もしくは会社の弁護士が出てくると思うのですが、ほとんどの場合、証拠がないので、体裁上は謝罪しつつも何もなかったことにしようとしてきます。下手すると、クビにしようとしてきますが、それができる会社は小さい会社なので、多少戦った後は諦めるしかないかもしれません。
会社に対して何らかの要求をしていくわけですが、スタンスとしては、今後の試用期間の女性社員のためという体裁で交渉していきます。同じような問題が起こらない方が会社としてもありがたいはずなので、そういう方向性で話していきます。
会話をすべて録音しながら、まずは、状況説明をします。
で、今回のように試用期間の女性社員に対して、人事権、もしくは人事権に干渉できる立場の人が、個人的に飲みに誘うようなことがあったら、複数の上司に報告できる仕組みを作って下さい。具体的には、派遣や試用期間、昇進がかかっている女性社員に対して、人事権のある上司がこっそり外で会うことを打診してきた場合、証拠があれば、採用や昇進が確定する仕組みがあることを会社に入ってきた段階で開示してください。そうすることで、この会社がクリーンであることが伝わって安心できるはずですよねとします。
逆に下からハニートラップを仕掛けた場合は、採用や昇進が流れるとしてもよいでしょう。
下から相談するとき、上から誘うときはかならず、複数人で会って、ふたりきりになってはいけないとすれば、コミュニケーションの妨げにはならないはずです。
こうすることで、なんで、こんなルールができたのという話の時にずっと今回の話題が出て、セクハラ上司の評判が落ちるようになります。
本当はセクハラ上司を異動させたいのですが、会社的にそれが無理というのが今回です。
とすると、私が異動となり、変なところに飛ばされるリスクがあります。
でも、会いたくないのもまた事実なわけです。そこで行きたい事業所に異動させてもらうことを希望します。今の実力では無理と言われたら、それが可能になるように仕事を分配をしてもらい、いけるようになり次第、異動できるようにすることを書面で書いてもらいます。書面というところが非常に重要です。たぶん、会社側からは出てこないので、こちらで用意してサインを要求しましょう。そうすれば、無理なところは書き換えを求めてくるはずです。
最後に損失した自分の収入です。
セクハラし放題で、された方が泣き寝入りするしかない今の構造はおかしくないですかと訴えます。失った給与などを支払うには会計上難しくなるとは思いますが、それらが普通に働いていた場合程度はもらえるように要求します。有休も復活できるようにしてもらいます。それらがボトムであると要求することですね。慰謝料という形でも構いません。
とにかくポイントは私ではなくて、私のような立場の女性を意識して問題解決にあたりましょう。
